一枚一枚手折りした洋食屋の仕事風景
印刷した紙を仕入れて折る、手仕事
真っ白な紙の中央に「SHINYOKEN」のロゴが印刷された紙ナプキンがあります。現在ではあらかじめ六ツ折などに折りたたまれ、お店のロゴが印刷された業務用のナプキンが一般的です。しかし、新洋軒ではお店のロゴを中央に印刷を施し、折られていない平らな状態の紙ナプキンを仕入れ、一枚一枚手作業で折るという仕事をしていました。
V字に整える – 意外に難易度高い
このナプキンを折るのは、サービスを担当するホール係の仕事でした。正方形の紙をまず対角線上に半分に折り、三角形を作ります。そこから両端を斜めに折り込み、左右のバランスを美しく整えながらV字型に仕上げます。これが結構難しい。
しかしながら、仕上がったV字のナプキンの上にフォークとスプーンを並べてセットするのは、いかにも洋食屋らしいスタイルです。

シュークリームにお決まりのセット
名入ナプキンは、デザートでも使われました。店内で提供するシュークリームは、一皿に二個盛り付けるのが新洋軒の当初のスタイルです。金色の線とロゴが入ったプレートの上に、四つ折りにしたナプキンを敷き、シュークリームを乗せます。傍らにはおしぼりを添えてお客様の元へ運びます。この定番の組み合わせを見ると、次々と懐かしい記憶が呼び起こされるのが不思議です。

昭和四十年代、店内のBGMにはオートチェンジャーのレコードプレーヤーが大活躍していました。片面を再生すると盤が切り替わり、5枚全て再生すると手動でひっくり返す仕組みです。
流行りのフォークソングが流れる店内と、オーダーの合間を見計らってせっせと名入りナプキンを折るウエイトレスさんの姿が、頭の中でリアルにシンクロします。

